2015年12月9日水曜日

テリー・ジョンスン ひみつ手帳

ハミ出る、透ける、敗れる、ズレる、しみる、ヌケる、ハゲる、よじれる、ボケる、のびる、チョチョ切れる…。ビカビカ、ヌメヌメ、ニュルニュル、プニョプニョ、ベチャベチャ…。汚いけど綺麗! そんな危険で甘美な表現世界を追い続けるテリー・ジョンスン氏にとって、スケジュール帳はセンスを磨くトレーニング・ジムである。日課にしている筋トレ同様、テリー・ジョンスン氏の研ぎ澄まされたセンスは、スケッチブックとスクラップブックを兼ねたスケジュール帳によって鍛え上げられているのである。片ページのスケジュール欄には、その日その日の仕事の概要や必要事項が記録されている。そこに名刺、メモ、レシート、手紙、自ら撮った写真、新聞や雑誌の切り抜きなど心おぼえの品がペタペタと貼られている。やがてスペースがなくなるとフリー・スペースとして使われる隣のページにもハミ出して、コラージュのオカズになったりする。そして。元来、自分の心情を文章で綴る日記という形態が照れ臭く、つける習慣がないとうテリー・ジョンスン氏にとって、この門外不出のスケジュール帳は、常に旅先にも携帯し、寝るときも枕元に置いておくという、いわば“お守り”のような存在でもある。日を追うごとにFATになり、毎年その役割をまっとうする暮れの頃になると稲荷寿司のごとき姿に変貌するスケジュール帳には、テリー・ジョンスン氏の底知れぬパワーとセンスの素がぐつぐつと息づいている。第三者の目に晒されることなくオブジェ化し、ごくごくプライヴェートな作品へと昇華したスケジュール帳。その一部をまとめた本書は、“Bad And Nice”で“Cheap But Gorgeous”で“Dirty But Beautiful”な一冊。センスの塊が贈るセンスの原石。まったく新しい手帳アートがここにある。

WEBSHOP:http://brooklynbook.thebase.in/items/2405126

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